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今日のすずもさん

名古屋市の中村区にある「豊臣ミュージアム」にて、豊臣秀長(小一郎)の生家をイメージした展示を視察してきました。現代の「高気密・高断熱」な家とは対極にある、当時の「百姓の家」から見える暮らしの知恵をご紹介します。
1. 「土間(どま)」が暮らしの中心
現代の家では「玄関」は靴を脱ぐだけの小さなスペースですが、当時は家の中の半分近くが土間でした。
• 石造りの大きなかまど(へっつい)が鎮座し、調理や農作業の道具が並んでいます。
• 現代との違い: 今でいう「キッチン+パントリー+ガレージ」が一体化した多機能スペース。火を使う場所を土にすることで、防火と掃除のしやすさを両立させていました。
2. 「いろり」を囲むオープンな間取り
• 竹を並べた床の中央にいろりがあります。天井からは獲物や鍋を吊るす「自在鉤(じざいかぎ)」が下がっています。
• 現代との違い: 現代は各部屋が壁で仕切られていますが、当時はワンルームに近い開放感。いろりの煙は屋根の防虫・防腐効果も兼ねており、家全体がひとつの循環システムになっていました。
3. 天然素材の徹底活用
• 壁は土、床は竹や藁(わら)、建具は木と紙。
• 現代との違い: ビニールクロスや合板は一切なく、すべて土に還る素材。夏は湿気を吸い、冬は隙間風があるものの、常に空気が動く「呼吸する家」の究極の形と言えます。
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◎百姓の家の建築工法
小一郎(秀長)が過ごした尾張中村のような農村部では、現代のようなコンクリート基礎や釘を多用する工法はなかったようです。
掘立柱(ほったてばしら)から礎石(そせき)へ
• 工法: 古くは地面に穴を掘り、直接柱を立てる「掘立柱工法」が主流でしたが、戦国時代になると、平らな石(礎石)の上に柱を置く**「礎石建て」**が普及し始めました。
• 利点: 地面の湿気が直接柱に伝わらないため、木材の腐食を防ぎ、建物の寿命が飛躍的に伸びました。
木組みと貫(ぬき)による補強
• 工法: 釘を使わず、木材に穴を掘って組み合わせる**「継手(つぎて)・仕口(しぐち)」**という技法が使われました。
• 構造: 柱と柱の間に水平に木材を通す**「貫(ぬき)」**という技法で建物を固めました。これにより、地震などの揺れに対して、しなやかに力を逃がす構造になっていました。
◎土壁と茅葺(かやぶき)屋根
• 壁: 竹を格子状に組んだ「下地(したじ)」に、稲藁を混ぜた粘土を塗り重ねる「土壁」です。調湿効果が高く、夏は涼しく過ごせます。
• 屋根: 藁やススキを用いた「茅葺」が一般的でした。雨水を効率よく流すために急勾配になっており、厚い茅の層が断熱材の役割を果たしていました。
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当時の家は決して「不便で貧しい」だけのものではありません。限られた資源の中で、家族が集まり、食をつくり、家を長持ちさせるための合理的な工夫が詰まっています。
現代の家づくりにおいても、こうした「素材の温もり」や「家族が自然と集まる中心(いろりにかわるリビング)」のあり方を大切にしていきたいと感じた一日でした。

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